八木裕之の記事一覧

労働時間管理の実務対応と法制化への動き

今年1月20日に厚生労働省から「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」(以下、「労働時間の適正把握ガイドライン」という)が公表されました。今後行政(労働基準監督署)はこのガイドラインをもとに企業を指導することになりますので、その内容をよく理解し実務対応する必要があります。

一方、長時間労働の是正は現在議論されている「働き方改革」の目玉であり、前回(4月Vol.65)ご紹介した「働き方改革実行計画」にも罰則付きの時間外労働の上限規制という項目が盛り込まれました。これを受けて、労働政策審議会は「時間外労働の上限規制等について」6月5日に建議を行いました。今後この方向で法制化に進んでいくことが予想されますので、こちらも注目しておきたいところです。

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働き方改革 ~長時間労働是正に向けての取組み

9月27日、第1回目の「働き方改革実現会議」が開かれました。主な論点として、同一労働同一賃金や非正規雇用の処遇改善など、全部で9項目のテーマが設定されており、今年度内に具体的な実行計画を取りまとめ、国会に関連法案を提出するとしています。
http://www.kantei.go.jp/jp/97_abe/actions/201609/27hatarakikata.html
中でも長時間労働の是正は、非常に重要な課題となっており、その実現が望まれます。

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マタニティハラスメントが投げかけるこれからの働き方

厚生労働省は初の実態調査として、働く女性の21.4%が、妊娠・出産・育児休業などを機に、職場で不利益な取扱いを受けたり、精神的、肉体的な嫌がらせを受けたりする「マタニティハラスメント(マタハラ)」を経験したと考えていると発表しました。(「日本経済新聞」2016年3月5日)

近年、職場におけるハラスメントに対して社会の関心も高まり、リスク管理と生産性向上の観点から、その予防と解決が人事管理上の大きな課題となっていますが、特にこの「マタハラ」の問題は、今後の「働き方」「働かせ方」に関する問題としてこれから益々注目を集めることが予想されます。

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ストレスチェック制度の概要と導入への対応

労働安全衛生法が改正され、2015年12月1日より、「ストレスチェック制度」が義務化されます。法改正後、厚生労働省から、ストレスチェック制度に関する省令、指針(「心理的な負担の程度を把握するための検査及び面接指導の実施並び
に面接指導結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針」)、Q&A、実施マニュアルなども公表され、その概要が明らかになってきました。制度導入にあたって企業に求められる対応について考えます。
(ご参考:http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000082587.html

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若手社員の定着と育成が支える企業の成長

厚生労働省が、9月10日に発表した労働経済動向調査によると、景気の回復傾向が影響し、正社員が「不足」と答えた事業所の割合が2008年2月調査以来の高水準となり、人手不足感が強まっています。また長期的にみても、労働人口が減少していく中で、働き手、特に若手社員を確保しておくことは、事業規模の大小を問わず重要な課題となっています。

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